Kyoto Photo
|京|都|の|風|景|写|真|
まだ寒い3月の「東山花灯路」、「桜」のシーズン、7月の「祇園祭」、11月末の「紅葉」シーズン、12月の「嵐山花灯路」、他にも「葵祭」や「時代祭」など、催しは多いのですが、気候が快適で、比較的観光客が少ないのは、GW〜葵祭が終わった5月中旬と、紅葉にはまだ早い10月の時代祭が始まるまでの間ではないかと思います。
更に、LCC航空会社の運賃が最も安値になる平日を選んでのエコノミーな旅へ出ました。
故郷よりも暮らしが長い第二の故郷、京都へ。
一年に一度の里帰りといった感じで出かけた、京都 2泊3日の旅です。
6月を選んだのはいうまでもなく、鱧落しと鮎塩焼きの両方が美味しい季節だからに他なりません。
しかし、この時季の本州内陸部特有の真夏のような暑さと、高い湿度に出くわしてしまいました。
この街の暑さと寒さには慣れていたはずなのですが、久しぶりに訪れると身体に重くこたえます。よくもこんな住み難い環境の地に千年も都が続きましたね。なんて事を言いながら30年も暮らしていた訳ですけど・・・。
約1年8ヶ月振りとなる京都です。きっと、懐かしさでワクワクすると予想してました。
不思議に、出会う人々や目にする風景に懐かしさは微塵も感じられず、せいぜい10日振りに戻った京都といった感覚でした。
むしろ歳月を全く意識させない自然さこそが「京都」なのかも知れないと改めて感じさせられた旅でした。
30年間暮らした京都を離れる2008年11月末。
月始めから、旅立つ前夜までの間にMTMと徒歩で移動しながら撮影した市内各所のスナップを並べてみました。
何故だか最後の夜は清水界隈を選んでしまいました。もしかすると、京都へ来て初めて出かけたのがこの場所だったのかも知れません。そんな気がしています。
最後の11月は27日間でしたが、毎日ががとても貴重な日でした。
1603年に造営が始まり、伏見城の遺構を移すなどして、1626年に完成したとあります。
内容的には桃山時代様式といえるようです。五層の天守閣もあったそうですが、落雷焼失後再建される事なく今に至っています。
大政奉還の後、所管は幾度か移り変わっているようですが、1939年皇室から京都市に下賜とあります。随所で見かける金色の菊のご紋は、宮家の離宮でもあった証です。
京都で「梅の名所」と聞いて、はじめに浮かぶのがこの「北野天満宮」だと思います。
ことのほか梅を愛された菅原道真公をお祀りする神社として、天神さんの愛称で広く親しまれています。
境内には50種約2,000本もの梅の木があるようで、時折吹雪に見舞われるこの日は、丁度咲き始めの花を見る事ができました。
梅園へは行ってませんが、それでも十分楽しめました。
高台寺と圓徳院は、北政所(ねね)が大坂城から移り住み余生を送った終焉の地。
秀吉との思い出深い伏見城の化粧御殿とその前庭を山内に移築して移り住んだのがはじまりと伝えられています。
1600年代初めの出来事なので、もう400年も昔の事です。
秋の特別拝観・夜間拝観が有名で、紅葉が見ごろを迎えた11月中旬、日暮れ時を狙って出かけてみました。
京都の街に住みはじめて随分と年月が過ぎ去った事は、今更触れる事でもないですが、最近になって妙に京都らしい場所や、催しによく出かけたりしています。
どういう心境の変化なのかは自分でも分かりませんが、今回もこうして、もうずっと近寄らなかった宵山へと足を運びました。
普段でも人が多い四条界隈へ。それも雨だというのに.....。
インターネットで検索して、すぐにMTBで出かけた往復20キロほどの場所です。
地図では解りにくい高低差でしたが、残りの2〜3キロは予想を裏切る激坂です。
「よしみねでら」と読む事を途中で知った「善峯寺」です。あじさいの頃に初めて訪れ、2度目は紅葉の頃、3度目は桜の頃でした。
枝垂れ桜、紅葉...美しい景色を見せてくれる「善峯寺」です。
ようやく冬の寒さも和らぎ、夜風が少し暖かく感じる夜、ぼんやりと闇に浮かび上がる桜花。
訪れたのは、元離宮二条城。ライトアップされた城内を見て廻ったのは、実は東側半分。
随分歩いたかのように感じつつも、何処をどう歩いたのかが、気になり部屋へ戻ってからマップで確認。
辺りは暗くてよく判りませんが、ゆったりと贅沢に空間をもてあそぶかのような城内、いたる所から高貴な雰囲気が感じられました。
3月も半ば過ぎだというのに真冬並の寒さが続いています。
「花灯路」は12月の嵐山、 3月の東山、と本来は観光オフシーズンの京の街のイベントとして始まったと思われますが、今やすっかりと観光定着してきたようで、人出は相当に多いです。
清水寺から八坂の間は思うように歩けない所が多いのもピーク時並。夏の猛暑の中を歩くよりは、こちらの方がずっと快適です。
寒波が伴った冷え込みの中、街から乗り込んだ列車を降りて少し遠まわりの帰路。私鉄の駅までの間、歩く足元を仄かに灯す灯籠。
橋のあるバス通りは行楽シーズンを思わせるような人ごみになって歩道を思うように歩くことができません。
当然、三脚は危険で使えません。
しばらく散策ましたが、軽装にはこたえる寒さに駅へと急ぐ事に。
・・・
深夜、街はうっすらと雪化粧をしていました。
紅く染まった木々のある風景を求め、気持ちよく晴れた週末の朝、目的地へと向かいます。
いつもは人影まばらなこの場所もこの時だけは大勢の人々で賑わい動きがとれません。
クルマは、駐車できるスペースが既にない状態。それでも並ばざるをえないのか?
特に春と秋は公共の交通機関を利用するのが賢明な街なのです。
この里へは、つづら折りの峠をいくつか超え、辿り着いた小さな町の中心部から、国道を外れ、由良川沿いを上流方面へと向かったところにあります。
山裾に立ち並ぶ数十件の家屋には江戸時代に建てられた民家も十数件あるというから驚いてしまいます。
遠い昔に見たような風景がそこに在り、まるで自分が幼子に戻った様な、なんとも心地いい時間を過ごす事ができました。
あれほど賑わっていたこの場所も、広葉樹がすっかり葉を落とし、木々がひとときの眠りにつく季節になると、人影もまばらになります。
「これはこれで悪くないな」とつぶやくひとりごと。何故ならこの景色をゆっくりと味わう事が出来るからでしょう。
人ごみにかき消されていた、しっとりとした落ち着きのある景観が一面に広がります。いつしか憂いも安らいでゆくような静けさに包まれて。
空気は凛と冷たい。