旅のひとこま 7 > Episode 246 小説の文庫本

Episode 246 小説の文庫本

 2003年4月まで24年間京都市内のテキスタイルメーカーに勤めていました。
仕事にもすっかり慣れた30代前後からは、月のうちの半数くらいになるでしょうか?企画依頼や販促で営業部や販売部の担当者に同行したり、時にはひとりで各地へ出かけていました。
大阪、神戸から、西脇、福岡、岐阜・愛知県内各地、福井・石川県内各地、浜松、東京、桐生、飯能、新潟県内各地、米沢、鶴岡など。
移動は電車、新幹線がメインでした。東海道新幹線〜上越新幹線を乗り継ぎ約5時間の乗車など、長時間の乗車も多々ありました。
いつの頃からかバッグの中には文庫本を携帯する様になり、出張時には欠かせない存在となりました。ほとんどは、「片岡義男」の小説でした。オートバイやクルマ、時には列車で旅をする作品が多く、自然に作品の中に入り込める様な感覚を楽しんでいました。
知らない地域の車窓風景に時々目をやりながらの読書スタイルがより臨場感を与えてくれていたんでしょうね。
最近再び列車通勤の時間に同作者の小説を読む様になりました。あの頃と変わったのは、移動が新幹線や在来特急電車ではなく鈍行のディーゼルカーと常に見慣れた車窓風景、そして紙やインクの匂いが一切しないiPhoneが文庫本の代わりになったという事です。

2020年06月27日撮影